AIに74本書かせたら、検索に出ていたのは3ページだけだった|原因は記事の質ではなくキーワードの選び方

AIに74本書かせたら、検索に出ていたのは3ページだけだった|原因は記事の質ではなくキーワードの選び方

🧭 この記事の前提 AIエージェント(Claude Code)に執筆を任せて、2か月で記事を74本まで増やしました。ところがSearch Consoleを開くと、検索結果に表示が出ていたのは3ページだけでした。
最初は「記事の質が足りないのだろう」と考えて、リライトの計画を立てました。それが間違いでした。 実際に検索結果の顔ぶれを1つずつ見たら、原因は質ではなくキーワードの選び方にありました。
持ち帰れるもの:AIやテンプレで記事を増やしているのに露出が出ない人向けに、自分のキーワードが「そもそも個人に取れるものか」を判定する手順を出します。すでに検索流入が安定している人には不要です。

結論

📌 先に結論本数は原因でも解決でもない。 74本書いて表示3ページなら、疑うのは記事ではなくキーワード ② 検索結果の上位10件の顔ぶれを実際に見る。 大手比較サイトとメーカー公式で埋まっていたら、質を上げても届かない ③ 同じ製品でもキーワードの形で勝敗が変わる。「おすすめ」は無理でも「1年使って後悔した点」なら個人が上位にいる

以下の数字は、このサイト(在宅ワーク最適化ラボ)の実測です。推測の部分は「推測」と書きます。

① 74本書いて、検索に出ていたのは3ページ

まず観測された数字をそのまま置きます。Search Consoleの2026年8月10日〜16日の集計です。

記事数74本(全公開済み)
表示が出ていたページ3(約68URL中)
表示回数の合計24
クリック1
平均掲載順位36.5

その3ページの内訳がこれです。

ページ表示クリック掲載順位
トップページ513.2
デスクの配線整理の記事19045.2
在宅ワークの作業環境ガイド102.0

読み方を間違えないように補足します。

  • 3ページのうち1つはトップページなので、記事としては実質2本です
  • 表示24回のうち19回が1記事に集中していて、その記事の順位は45.2位=4〜5ページ目です
  • 3ページ目の記事は2.0位ですが、表示は1回だけです。順位として読める母数ではありません
  • 唯一のクリックはトップページ(3.2位)です。サイト名などの指名検索とみられます(推測

残る72本は、検索結果に一度も出ていません。 順位が低いのではなく、そもそも土俵に上がっていない状態です。

② 定番の改善策が、1本も使えなかった

このとき最初に立てた計画は、どこにでも書いてある定番でした。

掲載順位11〜30位の記事をリライトして、1ページ目に押し上げる。

理屈としては正しいです。あと一押しで大きく変わる位置なので、費用対効果が最も高い。

ところが対象を数えたら0本でした。 表示が出ているページが3つしかなく、記事の側で意味のある表示があったのは45.2位の1本だけだったからです。

⚠ 覚えておく一行 「リライトで11〜30位を押し上げる」は、11〜30位の記事が存在して初めて成立します。 最優先の施策が空振りしていることに気づかないまま、しばらく計画を立てていました。

ここで「記事の質が足りないから順位が付かない」と考えたのですが、それを検証する方法を持っていませんでした。質が原因かどうかは、記事を見ていても分かりません。 分かるのは検索結果の側です。

③ 実際にSERPを見て、38キーワードを判定した

そこで、記事のfrontmatterに書いてあるキーワードを取り出して、検索結果を実際に開いて上位の顔ぶれを1件ずつ記録しました。2026年8月19日に、30回ぶんの検索結果を見て38キーワードを判定しています。

判定の基準は1つだけです。

判定基準(上位10件の顔ぶれ)
A: 狙える個人ブログ・小規模サイトが3件以上いる
B: 厳しい大手・メーカー・法人が大半で、個人は1〜2件
C: 無理大手比較サイト/メーカー公式/新聞・大企業のオウンドメディアで埋まっている

結果です。

判定件数(38キーワード中)割合
A: 狙える821%
B: 厳しい921%
C: 無理2255%

そして、**A判定のキーワードに紐づく既存記事は74本中6〜7本=約9%**でした。

9割の記事は、書いた時点で1位を取れないキーワードに向けて書かれていた。

表示が3ページしか出ていない実測と、この判定は整合します。記事の質を上げても動かない領域に、9割の労力が入っていたというのが構造です。

判定に含めていないこと(先に断っておきます)

この判定は**「上位の顔ぶれ」という観測事実だけ**でできています。月間検索ボリューム・広告の有無・サジェスト・「他の人はこちらも質問」は、使った調査手段では取得できませんでした。

したがってこの記事には検索需要の数値を一切書きません。 需要が大きいか小さいかは、この判定では分かりません。分かるのは「その席がすでに埋まっているかどうか」だけです。

④ C判定の検索結果には、いつも同じ顔ぶれがいた

C判定21件のうち、11件は物販の「おすすめ」系キーワードでした。どのキーワードでも上位の顔ぶれがほぼ同じという点が、いちばんはっきりした観測です。

カテゴリ該当キーワードの例上位を占めていた顔ぶれ
物販ランキング系モニターアーム おすすめ/オフィスチェア おすすめ/ドッキングステーション おすすめ ほか計11マイベスト/sakidori/ビックカメラ/ソフマップ/サンワダイレクト/360life/e☆イヤホン/コクヨ/Anker公式/エレコム
在宅の悩み系在宅ワーク 集中できない/在宅勤務 やる気 出ないIndeed/スタッフサービス/日立ソリューションズ・クリエイト/サーブコープ/STUDY HACKER
光熱費・電気代系在宅ワーク 光熱費 節約エネチェンジ/電気の比較インズウェブ/LIFULL HOMES/Looopでんき
Web会議の悩み系web会議 疲れる 原因/声 聞き取りにくいダイヤモンド・オンライン/ITmedia/Shure/U-Site
AIツール比較系AI議事録 個人 比較 無料/ChatGPT 無料版 有料版 違いJAPAN AI/Sales Marker/PLAUD/アガルート/テックキャンプ

物販系では個人の枠はnoteが1件程度しか観測できませんでした。

ここから読めることは、身も蓋もありません。これらは企業が自社集客のために予算をかけて押さえている場所です。人材会社は求人のために、電力比較サイトは切り替えの成果報酬のために、SaaSベンダーは自社ツールのリード獲得のために書いています。個人が記事の質で覆せる差ではありません。

⑤ 同じ製品でも、キーワードの形で勝敗が変わる

ここが今回いちばん重要な発見でした。同じ製品カテゴリなのに、キーワードの形が違うだけで顔ぶれが入れ替わります。

キーワード判定観測できた上位の顔ぶれ
モニターアーム おすすめCマイベスト/ビックカメラ/サンワダイレクト等の大手比較・量販
エルゴトロン LX 1年使用 レビュー 後悔Anote個人/work-gear.jpnakaichi-blog.comlife-enrichment-go.comgreyblueroom.com観測できた全件が個人・小規模

扱っている製品は同じです。違うのは**「おすすめ」か「1年使って後悔したか」か**だけです。

理由は構造的だと考えています。大手の比較サイトは「1年使った」を書けません。 網羅性と更新頻度で勝つ設計なので、1つの製品を1年間使い込んだ記録は書けないし、書いても採算に合わない。だからこの層まで降りてきません。

同じ現象は物販以外でも出ました。

キーワード判定観測
デスク 高さ 目安 計算Bコクヨマーケティング/Bauhütte/JOIFA基準/アスクル。個人0
デスク 高さ 高すぎる 対処法Asutasuta-desk.comwellkagu.comdaiyou-web.com など個人・小規模3件
CLAUDE.md 書き方BすべてSEO専業の法人ブログ。個人0
Claude Code スキル 選び方 運用Anote個人/Qiita個人+小規模企業ブログ。大手不在
Claude Code 引き継ぎ メモリ 設計AZenn個人2件/Qiita個人が上位を占有

📌 ここだけ持ち帰るなら 一般形(「◯◯ おすすめ」「◯◯ 目安」「◯◯の書き方」)は、たいてい先に埋まっています。 勝てるのは「自分にしか書けない条件が付いた形」=具体的な数字・特定の製品名・実際に使った期間・困りごとの側です。

「AIエージェントの運用」のような更新の速い領域で個人が上位にいるのも、同じ理屈だと考えています(推測)。大手メディアが追随できず、ドメインの強さより情報の具体性で順位が決まっている。だからこの領域では、定番の解説ではなく自分の運用ログに寄せるほうが強い。使うスキルの取捨選択も、一般論ではなく実際に入れて外した記録として書いています。

⑥ 自分でやる手順(30分でできます)

特別なツールは要りません。検索して、上位10件のドメインを書き出すだけです。

  1. 自分の記事から、狙っているキーワードを1つ取り出す frontmatterやメモに書いてあるものでかまいません。無ければ「この記事は何と検索した人に読ませたいか」を1行で書きます
  2. そのキーワードで実際に検索する 広告を除いたオーガニックの上位10件を見ます
  3. 10件のドメインを4分類で数える
    • 大手比較・ランキングメディア(マイベスト等)
    • メーカー・販売店の公式
    • 法人のオウンドメディア(人材・通信・SaaS・電力比較など)
    • 個人ブログ・note・Zenn・Qiita・はてな・小規模サイト
  4. 4番目が3件以上ならA、1〜2件ならB、0件ならC
  5. C判定なら、そのキーワードでは書かない。 リライトもしない
  6. C判定だった製品・テーマについて、条件を足した形を作って2〜5をやり直す 足す条件は「具体的な数字」「特定の製品名」「使った期間」「困りごとの側」の4つが有効でした

6番が肝です。テーマを捨てるのではなく、キーワードの形だけを変えます。 「モニターアーム」を捨てる必要はなく、「モニターアーム おすすめ」を捨てるだけです。

判定の結果は必ずファイルに書き残してください。 判定した瞬間は覚えていますが、しばらくすると忘れて同じキーワードで書き始めます。実際、判定表とは別に「もう書かないこと」の一覧を作るまで、撤退したはずの領域の記事案が何度も出てきました。AIに任せている場合はなおさらで、指示ファイルに条件として書くまでは同じ提案が繰り返されます。

⑦ これはAIの問題ではない

念のためはっきり書きます。この結果はAIに書かせたせいではありません。

同じキーワードで、運営者が手で74本書いていても結果は同じでした。上位がマイベストとビックカメラで埋まっている場所に、個人が書いた1本が入る余地は無いからです。執筆者が誰かではなく、どの席を狙ったかの問題です。

ただし、AIに任せたことで問題が見えにくくなったのは事実です。

AIに任せて起きたことなぜ気づけなかったか
キーワードが需要の確認なしに選ばれていたキーワード台帳に検索ボリュームの列が無く、確認していないことが表に現れない
記事が滞りなく増え続けた毎日「完了」が積み上がるので、進捗しているように見える
「11〜30位のリライト」という計画が立ったもっともらしい定番施策で、対象の存在を誰も数えていなかった

3つに共通しているのは、出力を見ていて、対象を数えていなかったことです。これは検証スクリプトが「エラー0件」を返し続けていたのと同じ失敗で、あのときも原因は検査対象が0件だったことでした。「0件を処理して0件の問題を報告する」は、正常な出力と区別できません。

同じ構造の誤診は他でも踏んでいます。観測と解釈を混ぜて「サイトのバグだ」と報告したが原因が手元の環境だったことも、目視で「問題なし」としていた配色が実測では基準未達だったこともありました。見ているつもりで、確認しやすいほうだけを見ているのが共通点です。

⑧ 書く条件を2つに変えた

この判定を受けて、記事を書く条件そのものを変えました。現在は次の2つを両方満たすものだけを書きます。

#条件満たさないと何が起きるか
1需要の証拠がある(サジェストに出る/広告が出る/「他の人はこちらも質問」に出る)誰も検索していない言葉で1位になる。順位は付くが人は来ない
2個人サイトで1位を狙える(上位10件に個人ブログ・小規模サイトが3件以上)質を上げても届かない。リライトしても動かない

2を満たさないキーワードは、順位を上げようとしても届きません。 上位が大手比較サイトとメーカー公式で埋まっているキーワードは、記事の質では覆せない——これが74本ぶんの結論です。

そして、狙えるキーワードが十分に見つからないならピボットすると決めました。同じジャンルの中で、粒度と切り口を変えます。ジャンルを変えるのではありません。

具体的には、既存記事のうちA判定に紐づく6〜7本を優先して書き換え、C判定のキーワードでの新規制作は停止しました。新しく書くより、狙う席を変えるほうが先です。

やりがちな失敗

失敗何が起きるか直し方
露出が無い原因を「記事の質」と決める質を上げても動かない領域で改善を続ける検索結果の顔ぶれを先に見る
本数で解決しようとする9割が同じ性質のキーワードなら、増やしても同じ結果1本あたりの判定を先に通す
定番施策を対象数を数えずに採用する「11〜30位のリライト」に対象が0本施策を選ぶ前に対象を数える
「◯◯ おすすめ」で書き始める大手比較サイトの指定席製品名+使用期間+本音の形に変える
判定結果を記録しない撤退したはずの領域にまた書き始める「もう書かないこと」を一覧で残す
需要の裏付けを見ずにキーワードを決める確認していないことが表に現れない台帳に需要の根拠の列を作る(空欄なら書かない)

まとめ

74本書いて分かったのは、書いた量ではなく、選んだ席の問題だったということでした。

  1. 表示が3ページしか出ていない状態は、順位の問題ではない。 土俵に上がっていない
  2. 上位10件の顔ぶれを見れば、質で覆せるかどうかが判定できる。 30分で済む
  3. 同じ製品でも、キーワードの形で勝敗が変わる。 「おすすめ」はC、「1年使って後悔」はA
  4. 書く条件は「需要の証拠」と「個人が1位を取れること」の2つ。 片方でも欠けたら書かない

なお、この判定を境に方針を変えましたが、効果が出たかはまだ分かりません。 書き換えた記事の順位も、記事を書かなかった期間の影響も、判定するには早すぎます。結果が出たら、この記事に追記します。

AIに作業を任せる側の運用については、Claude Codeの実務での使い方AIの成果物を実測で検証する方法にまとめています。前提が古くなって指示が腐る問題はCLAUDE.mdの書き方、セッションをまたぐ引き継ぎはAIへの引き継ぎ設計、そもそもClaude Codeとは何かはClaude Codeとは何かをどうぞ。在宅の作業環境そのものの作り方は在宅ワークの作業環境ガイドにあります。