AIの記事画像が全部「机にノートPC」になる問題|記事ごとに物のメタファーを割り当てて直した

🧭 この記事の前提
記事は Claude Code、画像は別のAI(CODEX)という分業で、個人サイトの記事画像を77枚まで作りました。Claude側は画像を生成できないので、指示書を書いて発注する形です。
困ったのは、77枚を並べると1枚の写真の色替えに見えたこと。個別に見れば破綻していないのに、サムネイル一覧でどれがどの記事か判別できませんでした。
持ち帰れるもの:AIに記事画像を作らせている人向けに、既定構図を機械的に潰す4つの規則と、記事ごとに物を割り当てる方法を出します。写真を自分で撮っている人には不要です。
結論:同じ絵になるのは指示の問題で、モデルの問題ではない
📌 先に結論 ① 「デスク周り」「作業環境」と発注すると、モデルはその語に対する最頻出の既定構図を返す ② 直すのは色や画風ではなく被写体の役割配置 ③ 記事1本につきその記事にしか出てこない物を1つ指定する
① 実際に何枚が同じ要素を持っていたか
自分の画像19枚を開いて、要素ごとに数えました。
| 要素 | 19枚中 |
|---|---|
| 明るい木の天板 | 17 |
| ノートPC またはモニターの黒い画面 | 14 |
| 鉢植えの観葉植物 | 15 |
| 窓+レースカーテン | 12 |
19枚のうち11枚が、この4要素のうち3つ以上を同時に含んでいました。
さらに悪かったのは、要素の一致ではなく構造の一致です。まったく別の記事なのに、カメラ位置・光源の方向・小物の役割分担が同一でした。被写体が違うだけで、絵としては同じものです。
AI活用カテゴリでは、**6記事12枚(本体+サムネイル)が全部「机にノートPC」**でした。並列実行の話も、指示ファイルの話も、検証の話も、絵が同じ。記事ごとの主張の差が、絵から完全に消えていました。
⚠ 覚えておく一行 問題は「見た目が似ていること」ではなく、構造の指紋が同じことです。色を変えても、画風を変えても直りません。
② なぜ既定構図が返ってくるのか
「木・緑・窓・黒い画面」は、画像生成モデルが home office という語に対して返す最頻出の構図です。発注の語が抽象的なほど、モデルは平均に寄ります。
つまり、「デスク周りの写真を作って」という発注は、「一番ありがちな絵を作って」と言っているのと同じでした。1枚だけ作るなら問題になりませんが、77枚並べた瞬間に破綻します。
同じ構図の問題は文章の側にもありました。書き手が当然と思っている前提が抜けて、記事が読者に届いていなかった件です(→冒頭3行の前提ブロック)。どちらも「外から見たときの差」が見えていないという同じ症状です。
③ 作った4つの規則
R1. 4点セットの禁止
次の4つのうち、3つ以上を同時に画面へ入れない。
(a) 木の天板 (b) ノートPC / モニターの黒い画面
(c) 鉢植えの観葉植物 (d) 窓+カーテン
R2. 小物の総量に上限を掛ける
サイト全体で何枚まで使ってよいかを先に決めます。発注のたびに既存の使用枚数を数え、上限に達したものは使いません。
| 小物 | 77枚中の上限 | 実査からの推定値 |
|---|---|---|
| 鉢植えの観葉植物 | 19枚(25%) | 55枚前後。大幅超過 |
| 開いたノートPC | 12枚 | 40枚前後。大幅超過 |
| マグカップ | 8枚 | 30枚前後。超過 |
| 窓+レースカーテン | 15枚 | 45枚前後。超過 |
R2は「今すぐ全部作り直せ」ではありません。新規発注と差し替えのたびに、この上限へ寄せていきます。
R3. 記事1本=固有プロップ1つ
発注表に、その記事にしか出てこない物を必ず1つ書きます。
| 記事 | 割り当てた物 |
|---|---|
| デスクの奥行きの記事 | 伸びたメジャー |
| 手首が痛い記事 | リストレスト単体 |
| オンオフの切り替えの記事 | 玄関の鍵とフック |
| 並列実行の記事 | 同じ砂時計を5つ横一列(全部同時に落ちているのに、終わる時間は変わらない) |
| 常設の指示ファイルの記事 | 色の違う付箋が貼られたノート(古い付箋は退色している) |
砂時計と付箋は、記事の主張そのものを物に置き換えたものです。ここまでやると、240pxのサムネイルでも何の話か伝わります。
「デスク周り」「作業環境」という書き方で発注しない。 これがR3の実質です。
R4. 直前3枚とカメラ位置を変える
同じバッチで連続して作るときは、4つの視点をローテーションします。同じ視点を3枚続けない。
1. アイレベル水平(部屋を見る)
2. 座位からの俯瞰30°(机を見る)
3. 天板と同じ高さ・寄り(物を見る)
4. 真俯瞰90°(並べて比べる)
④ カテゴリごとに「カメラ×面×色温度」を割り当てる
記事単位の差別化だけでは、一覧でカテゴリが混ざります。そこでカテゴリごとに撮り方を固定しました。分ける軸は色ではなく、カメラ距離 × 背景の面 × 色温度の3つです。
| デスク環境 | ガジェット | AI活用 | 働き方 | |
|---|---|---|---|---|
| カメラ | 引き・アイレベル水平 | 寄り・天板の高さ | 真俯瞰90° | 引き・斜め45° |
| 背景の面 | 部屋(壁と床が見える) | 天板だけ | 無地の面(紙・布・コンクリート) | 部屋の一部 |
| 主被写体 | 机・椅子・部屋そのもの | 製品1点 | 物のメタファー2〜3点 | PC以外の生活の道具 |
| 色温度 | 5200–5600K | 4800–5200K | 6000–6500K(影が短い) | 3800–4400K(暖色) |
| 禁止 | 製品の寄り | 部屋・窓・床 | 机・椅子・部屋・窓 | ノートPCを主役にしない |
AI活用だけを真俯瞰にしたのが効きました。 影の方向が他カテゴリと違うので、カテゴリ名を読まなくても一覧で区別がつきます。
この決め方には条件を1つ置いています。幅240pxのサムネイル一覧に4枚並べたとき、相互に判別できること。 原寸で見て「違う絵だ」と判断しても意味がありません(→原寸で検品してはいけない)。
⑤ 「文字のようで文字でないもの」を禁止した
もう1つ、発注書に明記した禁止事項があります。判読不能な手書き風の波線です。
付箋の絵に、文字らしき波線が書き込まれていた画像がありました。拡大表示(記事冒頭は幅720px程度)ではっきり波線と分かります。「文字のようで文字でないもの」は、AI生成であることが最も速く見破られる特徴です。
あわせて、画像への文字の焼き込みそのものを禁止しました。1枚だけ英語の見出しが焼き込まれた画像があり、日本語サイトなのに英語が出るうえ、image: はOGPにも使われるのでSNS共有時にも表示されていました。サイズも1枚だけ1600×900で、他は1200×675。1枚だけ体系から外れているのが、いちばん悪い状態です。
自分でやる手順
- 自分の画像を10〜20枚開いて、要素ごとに数える。 印象で判断しない
- 3つ以上が重なっている枚数を数える。 ここが既定構図に落ちた枚数です
- 禁止する要素の組み合わせを1つ決める(R1)
- 小物ごとに全体の上限枚数を決める(R2)
- 記事ごとに「その記事にしか出てこない物」を1つ書く(R3)。記事の主張を物に置き換えられればなお良い
- カテゴリごとにカメラ・背景の面・色温度を固定する
- 240pxに縮小して4枚並べ、判別できるかを確認する
やりがちな失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「デスク周りの写真」と発注する | 最頻出の既定構図が返る | 記事固有の物を1つ名指しする |
| 色や画風を変えて差を出そうとする | 構造が同じままなので直らない | カメラ位置と役割配置を変える |
| 1枚ずつ評価する | 個別には破綻していないので気づけない | 並べて数える |
| 画像に文字を焼き込む | OGPにも出る。1枚だけ体系から外れる | 焼き込まない |
| 手書き風の波線を許す | AI生成だと即座に分かる | 「文字のようで文字でないもの」を禁止と書く |
生成AI画像の商用利用まわりのルールはAI画像生成のビジネス利用に、量産全体で何が壊れたかはAIに74本書かせた結果にまとめています。
まとめ
- 同じ絵になるのは、抽象的な発注が原因。 モデルは語の平均を返す
- 直すのは構造。 色や画風ではなく、カメラ位置と被写体の役割配置
- 記事1本につき、その記事にしか出てこない物を1つ。 主張を物に置き換えられると強い
- カテゴリはカメラ×面×色温度で分ける。 AI活用だけ真俯瞰にしたら、一覧で判別できるようになった