デスクが高すぎるときの対処法|市販が70〜73cmに集中する理由と、下げられない場合の順番

デスクが高すぎるときの対処法|市販が70〜73cmに集中する理由と、下げられない場合の順番

先に結論 市販デスクの70〜73cmは、身長170〜180cmの人向けの高さです。 それより小柄なら合わないのが普通で、体の問題ではありません。天板の高さは変えられなくても、椅子を上げてフットレストを入れるだけで関係は作り直せます。順番は下にまとめました。

「机が高い気がする」は、気のせいで済まされがちな悩みです。しかし肩がすくむ・夕方に肩が凝るという症状の原因が机の高さだった、というのはよくあります。

まず、いま使っている机が誰向けの高さなのかをはっきりさせます。

なぜ市販デスクは70〜73cmに集中しているのか

家具店やネット通販で「パソコンデスク」を見ると、高さはほぼ70cm・72cm・73cmのどれかです。ここに集中しているのは、体格に合わせた結果ではありません。

日本の事務用机は、長いあいだ高さ70cm前後を標準として扱ってきたと説明されます。その慣習が家庭用のPCデスクにもそのまま引き継がれ、天板の高さが固定されたまま今に至っています。近年は67cm前後の製品や高さ調整式も増えていますが、店頭の主流は依然として70cm台です。

つまり **70〜73cmという数字は「多くの人に合う高さ」ではなく「工場と流通が揃えた高さ」**です。合わない人がいるのは当然、という前提で読み進めてください。

座面=身長×0.25、差尺=身長÷6。160cmなら机は65cm。市販は70〜73cm
座面=身長×0.25、差尺=身長÷6。160cmなら机は65cm。市販は70〜73cm

70cm・73cmは、身長何cmの人向けか

高さの目安として広く紹介されている考え方があります。断定できる根拠ではなく、目安のひとつとして扱ってください。

座面の高さ  ≒ 身長 × 0.25 −(1〜2cm)
差尺(机と椅子の高さの差) ≒ 身長 × 1/6
机の高さ    = 座面の高さ + 差尺

身長160cmで計算すると、座面は 160×0.25=40cm から1〜2cm引いて 38〜40cm、差尺は 160÷6=約26.7cm。足すと机は 約65〜67cm になります。

同じ計算を身長別に並べます。

身長座面の高さ差尺机の高さの目安73cmとの差
150cm35.5〜36.5cm25.0cm60.5〜61.5cm約12cm高い
155cm36.8〜37.8cm25.8cm62.6〜63.6cm約10cm高い
160cm38.0〜39.0cm26.7cm64.7〜65.7cm約8cm高い
165cm39.3〜40.3cm27.5cm66.8〜67.8cm約6cm高い
170cm40.5〜41.5cm28.3cm68.8〜69.8cm約4cm高い
175cm41.8〜42.8cm29.2cm71.0〜72.0cm約1cm高い
180cm43.0〜44.0cm30.0cm73.0〜74.0cmほぼ一致
185cm44.3〜45.3cm30.8cm75.1〜76.1cm2cm低い

表を逆から読むとこうなります。

  • 73cmの机が合うのは、身長180cm前後
  • 70cmの机が合うのは、身長170cm前後
  • 身長160cmの人にとって、73cmの机は約8cm高い

8cmは「なんとなく」で吸収できる差ではありません。その分だけ肩を上げた状態で毎日作業していることになります。

※式は身長だけを使うため、座高や腕の長さの個人差は反映されません。表は出発点で、最後は座った感覚で決めてください。

高すぎるかどうかは、体のサインで分かる

メジャーを出す前に確認できます。

サイン意味
肩がすくむ・肩が凝る机が高い(最頻出)
手首が机の縁に食い込む机が高い
キーボードを打つと肘が体より前に出て、上がっている机が高い
前かがみになる・猫背机が低い、またはモニターが低い
足が浮く机に合わせて椅子を上げすぎている
太ももの裏が圧迫される同上

「肩がすくむ」が圧倒的に多い症状です。座ったまま肘を体の横に下ろし、そのままの高さでキーボードに手が届くかを確かめてください。届かず、腕を持ち上げる必要があるなら机が高い状態です(→正しい座り方)。

肩こりとして出るため椅子のせいにされがちですが、椅子を替えても天板が下がらなければ関係は変わりません(→肩こり・腰痛を減らす環境)。

何をしても高さが合わないなら身長が170〜180cmから離れているほど、既製品では合いません。1cm単位で合わせられるのが昇降デスクの本来の価値です。▶ 電動昇降デスクの比較を見る

高さを下げられない机の対処(効く順)

天板の高さが固定でも、机と体の相対的な関係は変えられます。上から順に試してください。

① 椅子を上げる(最初にやる・費用0円)

机を下げられないなら、体を上げます。肘が90度前後になり、肩が上がらない高さまで椅子を上げてください。これで机の高さそのものは変わらなくても、肩への負荷は下がります。

上げる量は、上の表の差から逆算できます。身長160cmで73cmの机なら約8cm高いので、椅子を普段より数cm高くします。座面高が固定の椅子だとここで詰まるため、その場合は椅子が先の課題になります。

② 足元にフットレストを入れる(①とセット)

椅子を上げると足が浮きます。浮いたままだと太ももの裏が圧迫され、今度はそちらが痛くなります。①と②は必ずセットです。

専用品でなくても、厚めの本を重ねる・段ボールに雑誌を詰めるで代用できます。まず代用品で高さを探り、合う高さが分かってから買うほうが無駄がありません。目安は、足の裏が全面つき、膝が90度前後になる高さです。

③ キーボードの位置を手前にする

腕を天板に載せると、机の高さがそのまま肩に効きます。キーボードを手前に置き、肘は体の横で自然に下ろした位置を保つと負担が減ります。

奥行きが浅い机ではキーボードを手前に出す余地が無いことがあります。その場合は奥行き側の問題も併発しています(→奥行き別の可否表)。

④ 脚を切る/天板を替える(不可逆・最後の手段)

木製の脚なら切って高さを下げられますが、元に戻せません。賃貸の備え付けや借り物では選べませんし、脚に金具やアジャスターが入っている構造だと切れないこともあります。①〜③を試したうえで、それでも数cm足りないときだけ検討してください。

切る前に、段ボールで作った台に天板を載せて、目標の高さを1日試すことをおすすめします。切ってから合わなかった場合に戻せないためです。

⑤ 高さを変えられる机にする

①〜④で解決しない、または複数人で共用する場合は、高さを変えられる机が根本的な解決になります。

昇降デスクは「立って作業するためのもの」と思われがちですが、座り姿勢を自分の身長に合わせられることのほうが日常的な価値は大きいです。表で見たとおり、身長が170〜180cmから離れているほど既製品と合わなくなります。

逆に低すぎる場合

高すぎる場合ほど多くはありませんが、身長180cm以上だと70cmの机は低い側に出ます。

  • 卓上台やモニタースタンドで作業面を上げる(キーボード位置は変えずモニターだけ上げる)
  • 継ぎ脚(テーブルの脚に被せる高さ調整パーツ)を使う
  • 椅子を下げる(ただし足が浮かない範囲で)

低い机は前かがみを誘発し、首と腰の両方に負担がかかります。

よくある質問

Q. 机が高いのか、椅子が低いのか分かりません。 A. 見るのは足です。肘が楽な高さまで椅子を上げたとき足が浮くなら、机が高い状態です。足が床につくなら、椅子が低かっただけです。

Q. 表の高さと、座った感覚がずれます。 A. 式は身長のみを使うため、座高や腕の長さの差は反映されません。「肩がすくまない・足が浮かない」を優先して、表からずらして構いません。

Q. 机と椅子、どちらを先に替えるべきですか? A. 椅子が先です。座面高が固定の椅子だと、①の調整の起点が作れません。順番は椅子 → 机 → モニターです。

Q. 立って作業するときの高さは? A. 座りと同様に肘が約90度になる高さで、目安は身長 × 0.6前後です。身長170cmなら約102cm。座り高との差が30cm以上あるため、手動で調整する机では現実的に運用しづらく、電動が向きます。

まとめ

  • 市販の70〜73cmは身長170〜180cm向け。それより小柄なら高すぎるのが普通
  • 身長160cmなら目安は約65〜67cm。73cmの机とは約8cmの差
  • 天板が下がらなくても、①椅子を上げる → ②フットレスト → ③キーボードを手前で関係は作り直せる
  • 脚を切るのは不可逆。試すのは最後
  • 計算式は目安であって基準ではない。最後は「肩がすくまない・足が浮かない」で決める

環境全体の整え方は完全ガイドにまとめています。